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問題

原始・古代の漆と香の文化に関する次の文章読み、下の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

 “japan”ともよばれてヨーロッパで珍重された漆の製品は、日本の伝統的な工芸品である。漆の利用は古く、縄文早期の遺跡から赤色漆塗りの製品が出土している。漆は塗料のほか、接着剤としても使用された。縄文を施した土器や、人間を模した造形の[ ア ]などとともに、漆製品は縄文時代の文化を代表する。
 奈良時代には、漆を用いた乾漆の技法によって多くの仏像がつくられた。
[ イ ]はその一例である。また、各地の漆を使用した工房跡などから点液が染みこんで硬化し、土中で分解されずに残存した紙が出土している。これは容器に入れた漆の乾燥を防ぐための蓋紙(ふたがみ)で、おもに役所で不要となった文書が再利用された。ⓐ漆液の染みこんだ文書は漆紙文書(うるしがみもんじよ)とよばれ、古代史研究の貴重な史料である。
 平安時代には、螺錨や蒔絵などの技術も確立し、調度品や建物を装飾した。また赤色漆を塗った食器は「朱器」とよばれ、藤原冬嗣が所有していたとされる朱器(しゅき)は、ⓑ藤原氏の氏長者に代々伝えられて、権力の象徴ともなった。
下線部ⓑに関連して、平安時代の藤原氏について述べた文として正しいものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • (1)

    • 冬嗣は桓武天皇から蔵人頭に任じられのちの摂関家の基礎を築いた。

      誤り。桓武天皇ではなく「嵯峨天皇」。
    • 良房は他氏を退けるとともに、臣下ではじめて摂政の任についた。

      正しい。
    • 忠平は醍醐・村上両天皇の摂政・関白となって実権を握った。

      誤り。醍醐天皇のときには「摂政も関白も置かれていない」。
    • 頼長は源義朝と結んで平治の乱を起こしたが、平氏に討たれた。

      誤り。頼長ではなく「信頼」。
      頼長は保元の乱。