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  • 資本主義経済

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※数字(%)は出題頻度

現代のⓐ経済の仕組みの下では多くの人々が企業で働き、賃金を得て生活している。そうしたⓑ労働者の立場からすると、賃金は上がる方が望ましいだろう。逆に企業の立場からはどうか。ⓒ利潤を追求する企業にとって、賃金は費用である。費用が低くなれば、企業はその分高い利潤を得て、それが生産を活発にするかもしれない。同じことが多くの企業で起きれば、経済全体も活性化し得るという理由で、賃金は下がる方がよいと結論づけられそうだが、ことはそう単純ではない。
 通常賃金が下がった場合、労働者は支出を抑えることになる。賃下げが多くの企業で行われれば、経済全体として消費支出が減り、ⓓ景気は悪化することになるだろう。このように賃金の低下は、経済活動を停滞させてしまい、結果として個々の企業の利潤を低下させてしまう可能性がある。
 以上のように賃金は、個々の企業にとって費用である一方、経済全体にとっては需要を生み出すⓔ所得としての側面をもつ。賃金の上昇や低下は、これら二つの側面を通じて、企業の利潤に影響を与える。賃金が上がる方がよいのか、下がる方がよいのかは、費用としての側面が経済全体に与える効果と、所得としての側面が与える効果のどちらが強いか次第とも言えよう。一つの経済的変化が複数の効果をもち、それが経済全体に広がっていることに皆さんも目を向けてみよう。

下線部ⓐに関して、資本主義経済にかかわる考え方に関する記述として適当でないものを次の選択肢のうちから一つ選べ。
  • (1)

    • J.M.ケインズは、資本主義の下で生じる深刻な不況や失業という問題に対処するために、有効需要を政府がつくり出すべきと主張した。

    • A.スミスは、人々が自己利益を追求することが、同時に社会全体の利益にもなると主張した。

    • J.A.シュンペーターは、企業家による創造的破壊が、資本主義経済を発展させる原動力であると主張した。

    • D. リカードは、資本主義の下では、労働者は生産物や自分自身から疎外されると主張した。

出題頻度について
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