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章なし
問題
次の文章は、大学生Kとその友人Hの日記の一部である。この文章を読み、下の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)
Kの日記 1月20日 大学の日本史の授業で「歴史研究と史料」というレポート課題が出される。「史料としての日記」というテーマを思いつく。歴史を学ぶと日記が時々登場するからだ。Hといっしょに取り組みたいものだ。 手始めに歴史の辞典類を調べた。日本の日記の歴史は思ったより古い。すでにⓐ『日本書紀』には、官人の日記とされる文章が引用されている。7世紀後半に[ ア ]に派遣された伊吉博徳(いきの はかとこ)の記録などがそれだ。現存する最古の自筆日記は、[ ア ]の『御堂関白記』らしい。[ イ ]の「此の世をば我が世とぞ思ふ望月のかけたることも無しと思へば」という和歌も、同時代の藤原実資の日記『小右記』に記されて伝わった。 このような貴族の日記をはじめ、日本には日記が多く残されている。たんにその日の出来事を書くだけではなく、私的な感情や批判を書く場合も少なくない。その形式もさまざまであったようだ。『御堂関白記』は、日ごとの干支や吉凶などが記しである暦の紙面に、筆者が書き込んだものだった。今、書店で売られている日記帳は、日々の体験を書く行為の広がりとともに、ⓑ印刷と出版が普及したことの結果であるが、分厚いものから小さなサイズのものまで、じつに多くの種類が見られる。 日記にも歴史があることがわかった。調べてみると面白い。Hは歴史好きだ。こんな話をすればきっと日記に興味をもってくれるだろう。
下線部ⓑに関連して、印刷・出版に関して述べた文として正しいものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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