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章なし

問題

次の文章は、高校生の愛美さんと、大学で歴史を勉強している兄の智史さんとの会話である。この文章を読み、下の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

愛美:ブラジルに帰った友達が、今度また日本に来るんだよ。

智史:リーマン・ショックの影響で帰国した日系ブラジル人の友達だね。

愛美:そう。日系3世のお父さんが日本の工場で働いていたのよ。

智史:1989年に入管法(注)が改正され、3世までの日系人であれば、ヒザなしで在留できるようになって、出稼ぎのために来日する日系人が増えたんだ。

愛美:日系人って、海外に移住した人たちやその子孫でしょう?でも、[ ⓐ日本人の海外移住 ]って、あまりイメジがわかないな。

智史:そう?実は、明治維新後まもなく、ハワイへの移民が始まっているんだよ。でも人種的偏見もあって[ ⓑ 北米では日本人移民排斥運動が起きた ]。ブラジルやペルなど南米への移民はその後に増えたんだ。

愛美:そうなんだ。江戸時代は鎖国政覧がとられていたし、明治になゥてやっと国外に移住する選択肢も生まれたってことかしら。

智史:明治以前にも、日本人が圏外に移住したことはあるよ。

愛美:そういえば、江戸時代初めに東南アジアに日本町ができたって聞いたわ。

智史:そのとおり。17世紀初めには[ ⓒ 渡航を許可する朱印状を与えられた船が、東南アジアに出かけて盛んに交易を行っていた ]。東南アジアで中国産の生糸などを輸入し、日本からk主に銀を輸出していたんだ。

(注)入管法:正式名称は「出入国管理及び難民認定法」。1989年に改正され、翌年施行された。
[ ⓐ ]に関して、日本人の海外移住者数を示す次のグラフの説明として正しいものを、下の選択肢のうちから一つ選べ。

(注1)南洋方面:東南アジア・オセアニア諸国、英領香港、ポルトガル領マカオ、英領インドなど。
(注2)北米・その他:米国(ハワイを含む)、英領カナダ、ロシア・ソ連など。
  • (1)

    • 北米・その他への移住者は、1920年代までの累計では、全体の半分に満たなかった。

    • 中南米への移住者は、北米・その他への移住者とともに減少し続けた。

    • 「満州国」への移住者は、満州事変から敗戦までの累計では、全体の半分以上を占めた。

    • 南洋方面への移住者は、英米との開戦以後、大幅に増加した。