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《短答式》刑法

問題

結果的加重犯の共同正犯の成立が認められることを前提に、次の【事例】及び各【見解】に関する後記の各【記述】を検討し、誤っているものを2個選びなさい。

【事 例】
 甲と乙は、丙に対する傷害を共謀し、共同して木刀で丙の手足を殴打していた際、甲は丙に対する殺意を抱き、木刀で丙の頭部を殴打し、丙はその殴打により脳挫傷で死亡した。なお、乙は、甲が殺意を抱いたことを知らなかった。
【見 解】
A説:共同正犯とは、数人が犯罪に至る行為過程を含めた行為を共同することであり、特定の犯罪を共同して実現する場合はもちろんのこと、単なる行為を共同して各自の意図する犯罪を実現する場合も、それぞれの行為について共同正犯の成立を認める。

B説:共同正犯とは、数人の者が共同して特定の犯罪を行うことであり、構成要件の間に重なり合いがあれば、そのうちのより重い犯罪について共同正犯の成立を認め、軽い犯罪の故意しかない者には、軽い犯罪の刑を科す。

C説:共同正犯とは、数人の者が共同して特定の犯罪を行うことであり、構成要件の重なり合う限度で軽い犯罪の共同正犯の成立を認める。
【記 述】
  • (1)

    • A説からは、甲と乙に殺人罪の共同正犯が成立するとの結論が導かれる。

    • B説からは、甲と乙に殺人罪の共同正犯が成立するとの結論が導かれる。

    • B説に対しては、犯罪の成立と科刑が分離するのは妥当でないと批判できる。

    • C説からは、甲と乙に傷害致死罪の共同正犯が成立し、甲には殺人罪の単独犯が成立するとの結論が導かれる。

    • C説に対しては、A説やB説から、共同正犯の成立範囲が広すぎると批判できる。