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章なし

問題

近世の政治・社会・文化に関する次の文章を読み、下の問いに答えよ。(史料は、一部省略したり、書き改めたりしたところもある。)

 只野真葛(ただのまくず)(1763〜1825)こと工藤あや子は、江戸詰の仙台藩医工藤平助の長女として、江戸に生まれた。工藤平助は海外情勢に詳しく、ロシアに関する研究書や、林子平の著書『[ ア ]』の序文を書いたことで知られている。
 真葛は、仙台藩士と結婚して仙台に移ったのち、彼女の父母やその一族のことを随筆ⓓ『むかしぱなし』に書き記した。その後、社会の現状を批判した融引を書きあげると、出版を決意し、長編小説『[ イ ]』執筆中の江戸の作家曲亭馬琴(滝沢馬写)に原稿を送った。しかし、馬琴は真葛の論を批判し、出版はかなわなかった。それでも真葛は、男性の活躍が目立つ江戸時代に、社会に対する批判を自分の言葉で表現し、それを社会に向けて主張しようとした女性として、注目される。
 真葛が生きた時代は、ⓔ対外危機が認識され始めた時期であるとともに、国内の政治や社会に対する批判があらわれた時代でもあった。
下線部ⓔに関連して、19世紀前半の対外関係の事件・事項について述べた文として誤っているものを選択肢のうちから一つ選べ。
  • (1)

    • 宣教師シドッチが、蝦夷地に潜入して捕らえられた。

      誤り。蝦夷地ではなく「屋久島」。「18世紀」の出来事である。
    • 商人高田屋嘉兵衛が、ロシアによって抑留された。

      正しい。
    • オランダ商館医シーボルトが、鳴滝塾を聞いた。

      正しい。
    • イギリス船フェ一トン号が、長崎に侵入した。

      正しい。